エステティックサロン市場に関する調査を実施(2025年)―矢野経済研究所

ハイフ(HIFU)施術に対する規制強化とその影響

2024年6月、厚生労働省は、医師免許を有しない者によるハイフ(HIFU: High Intensity Focused Ultrasound)機器を使用した施術を全面的に禁止するガイドラインを発表した。
ハイフは、皮下組織やSMAS筋膜に超音波を集中させ、肌のたるみを改善する施術としてエステティックサロンで関心を集めていたが、健康被害の報告が増加したことから、エステサロン側も自主的にメニューからの削除や施術の中止が求められるようになった。
消費者庁からも注意喚起がなされ、大手美容ポータルサイトでは、2023年12月から当該メニューに関する情報掲載が禁止されている。
これらの対応は利用者の安全を守るために適切であるが、エステティックサロンから美容医療への利用者の流出を促す要因の一つとなっている。

2025年度の市場予測と今後の展望

2025年度のエステティックサロン国内市場規模は、前年度比100.1%の3,046億円になると予測されている。
マイナス要因としては、レディス脱毛市場の回復遅れや影響の長期化が挙げられる。
2024年も脱毛サロン経営企業の破綻が続き、広告費未払い問題やそれに伴う広告凍結などが発生し、TVCMや屋外広告の露出が減少している。
一方、メンズエステ市場については、美容に関心を持つ男性層の拡大が期待され、市場成長の可能性が示されている。

調査概要

  • 調査期間:2024年11月~2025年2月
  • 調査対象:エステティックサロン、エステティックサロン関連商材取扱企業等
  • 調査方法:専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、文献調査の併用
    本調査では、国内の店舗型エステティックサロンで提供される施術(美顔、痩身・ボディ、脱毛、その他、メンズエステ)および付帯する物品販売・その他サービスを対象としており、セルフエステ、訪問エステ、理美容エステ、メディカルエステなどは含まれていない。 

出典資料について

資料名:2025年版 エステティックサロンマーケティング総鑑
発刊日:2025年02月28日
体裁:A4 461ページ
価格(税込):165,000円 (本体価格 150,000円)

 

 

〔株式会社矢野経済研究所プレスリリース「エステティックサロン市場に関する調査(2025年)」(2025年4月23日発表)より〕

 

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