エステティックJIS化について – 業界の健全化と消費者保護を目指して

まず、広告表示に関する規制として、「モニター募集」と称した宣伝・広告表示の禁止が定められています。これは、無料や破格の料金でサービスが提供されるかのような広告表示を行いながら、実際には通常価格と相違ない価格でサービスを提供することを禁止するものです。

また、「おとり広告」の禁止も規定され、実際の販売料金ではない極端に低額な料金を広告に表示して集客し、来店した消費者に高額なサービスを販売することも禁止されます。

消費者への配慮に関しては、脆弱な状況にある消費者への配慮が義務付けられています。高齢者、障がい者その他脆弱的な状況にある消費者に対してサービスを提供する際は、合理的配慮をしなければなりません。ただし、過重な負担となる場合や危険を与えるおそれがある場合は、理由を明示した上で利用を拒否することができます。

契約に関しては、消費者が都度払いまたは継続的役務提供契約を選択できるよう、それぞれのメリット・デメリットを説明することが義務付けられています。都度払いを選択した消費者の意思を妨げて継続的役務提供契約に誘導する行為は禁止されます。

無償施術を提供する場合は、その条件や中途解約時の扱いを契約書に明記し、口頭で説明して消費者の理解を記録保管しなければなりません。また、継続的役務提供契約による前払金については、受領時点で全額売上に計上せず、消化した役務の対価だけを売上計上することが求められています。

「エステティックJIS」開発後のサロン認証制度

「エステティックJIS」が施行された時点で、既存の「エステティック認証基準」も改正される予定です。経済産業省によりJIS認証機関の認定が実施され、「エステティックJIS」に基づく認証の開始以降、当面は既存のエステティックサロン認証制度と並行して実施される予定となっています。

「エステティックJIS」施行により、国家規格として消費者保護とエステティック業界の健全な発展を両立させる重要な制度となることが期待されます。

役員構成(2025年7月1日現在)

有識者
理事長 福士 政広 東京都立大学 名誉教授
理事 鸞澤 亜紀子 弁護士
嶋田 守男 医師・駒澤大学医療健康科学部 教授
唯根 妙子 特定適格消費者団体 消費者機構日本 理事
監事 藤田 護也 弁護士
酒井 富雄 公認会計士
業界団体
理事 網蔵 糸乃 一般社団法人日本エステティック協会 副理事長
小林 直子 一般財団法人日本エステティック試験センター 理事長
瀧川 睦子 一般社団法人日本エステティック工業会 理事長
松本 毅 一般社団法人日本全身美容協会 理事長
業務担当
理事 高橋 博忠 事務局長・行政書士

 

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