日本全身美容協会が記者会見でベトナム・ミャンマー連携プロジェクトを発表
一般社団法人日本全身美容協会(松本毅理事長)は10月14日、東京・九段会館テラスで記者会見を開き、ベトナム・ミャンマーと連携した国際的な美容人材育成プロジェクトを発表した。
創立約50年の歴史を持つ同協会は、エステティック業における様々な問題と向き合い、業界のより良い環境作りと活性化を目指して「JTBAオペレーションチーム」を新たに発足。
同プロジェクトの推進とともに、エステティック事業者の倒産・廃業等で被害を受けた消費者への支援活動も展開し、業界の信頼度回復と向上にも取り組む。


エステティック業界初の国際インターンシップ受入れスキームを構築
9月にベトナム・ホーチミン市で協力協定が締結され、同協会とVan Lang Saigon College(ヴァン・ラン・サイゴン大学)、PGTホールディングス株式会社(ハノイ証券取引所上場)、株式会社グッドスタイルカンパニー(東京都千代田区、杉山岳代表取締役)の4者が連携し、エステティック業界初となる国際インターンシップ受入れスキームを構築する。
立憲民主党の今井雅人衆議院議員もASEAN Beauty Holdings取締役として参画し、政治的・国際的ネットワークを活用してプロジェクトをリードする。

日本の美容業界が抱える深刻な人材不足、ミャンマー難民の教育機会喪失の2つの課題を同時解決
このプロジェクトが始動した背景にあるのが、日本とミャンマーが抱える深刻な課題。
日本においては、少子高齢化により労働力供給が減少し、人材不足が社会問題化している。
特に美容業界は外国人材の受入れが制度上認められておらず、質の高い人材確保が困難な状況が続いてきた。
さらにインバウンド需要の増加により、外国語対応できる人材の必要性も高まっている。
記者会見であいさつに立った今井雅人議員は「海外へ打って出る日本の産業のひとつとしてエステティックサービス産業などの美容産業に以前から興味を寄せていた。また、日本の人口は今後増えることはないとされおり深刻な人手不足に陥ることが予想される。高度な教育を行けた海外人材の受け入れ体制を政府としても整備して、こういったプロジェクトを後押しする役割を担いたいと考えている」と同プロジェクトの意義に期待を寄せた。
一方、ミャンマーでは武力紛争により多くの学生が教育の機会を喪失している。PGTホールディングスの嘉数氏は「これは単なるビジネス協力ではなく、人道的に非常に重要な取り組みだ」としている。
「教育・資格・就労」を一体化した画期的スキーム
1年目:ベトナムで日本式カリキュラムによる基礎教育180時間
ヴァン・ラン・サイゴン大学で日本全身美容協会が指定する日本式カリキュラムによる美容ケア教育180時間を実施。
松本毅理事長が教育カリキュラムの監修と資格認定試験の実施、業界水準の保証を担当する。
日本語能力はN3レベル到達を目標とし、この期間は正式な単位として認定される。
2年目:日本のサロンでOJT実地研修120時間を実施
日本のサロンでOJT(実地研修)120時間を実施し、卒業時にはN2レベルの日本語能力習得を目指す。
このインターンシップも大学の単位として認定され、日本全身美容協会が認定する「ビューティシャン」資格の取得も可能となる。
卒業後は準学士号・認定資格・実務経験の三位一体で高度人材に
卒業後には準学士号(大学の卒業証書)、日本の業界団体認定資格、日本での実務経験という「三位一体」の強みを持ち、高度人材として日本での継続就労の道も開かれる。
各社の役割:スキーム設計から学生受入れまで一貫体制を構築
各社の役割分担は以下の通り。
株式会社グッドスタイルカンパニーはこのスキームの設計・推進を担い、教育・資格・国際交流を一体化した新モデルを実現。
PGTホールディングス株式会社は学生誘致と送り出しを担い、信頼あるカウンターパートナーとして収益と国際的信用を確保する。
さらに株式会社アースが学生の受け入れ・業界内での人材流通の窓口を協会と共に担う。
初年度120名から1000名規模へ拡大目指す
初年度は2025年10月から120名の受入れを目指し、次年度以降は240名から1000名規模へ拡大を目標とする。
将来的には美容分野にとどまらず、介護、調理、ビル管理、農業、観光・ホスピタリティ、IT、物流など質の高い人材を必要とする産業への展開も視野に入れる。
同プロジェクトでは、日本での受け入れサロン事業者の募集をすでに開始している。
候補者の人選、ベトナムからの送り出し、入社後の支援を行うサービスとなり、海外人材の導入を検討する事業者のサポートを行う。
詳しくは日本全身美容協会事務局まで。
一般社団法人日本全身美容協会 事務局
03-3444-2740
association@jtba.gr.jp
(取材)

