「フェイシャルエステで脳が活性化」—名古屋大学とメナードが効果を共同研究
日本メナード化粧品株式会社(野々川純一代表取締役社長)は、名古屋大学 脳とこころの研究センター(飯高哲也教授)と共同で、フェイシャルエステの施術が脳活動に与える影響について解析した。
その結果、フェイシャルエステが脳の特定の領域(海馬・島皮質・吻側前頭皮質)を活性化し、心地よさやストレス軽減効果をもたらしていることがわかったと発表した。
フェイシャルエステには美容効果だけでなく、心地よさを感じたり心を落ち着かせるなど、心理面にも効果があるといわれる。
同社ではこれまで、フェイシャルエステによる心理的影響について研究をおこなってきたが、今回、名古屋大学 脳とこころの研究センターと共同で、フェイシャルエステの施術が心理状態や脳活動に与える影響について詳細に解析をおこなった。
健常人女性23人に対してフェイシャルエステをおこない、施術前後の心理状態と、fMRI※1を用いて脳活動を測定。
測定の結果、フェイシャルエステによって心地よさが高まり、ストレスが軽減し、またこのとき、特定の脳領域同士の連動性(脳機能的結合)が高くなっていることがわかった。
これにより、フェイシャルエステの施術が脳に作用し、心地よさやストレス軽減をもたらしていると考えられるとしている。
今回の結果から、フェイシャルエステがもたらす心地よさやストレス軽減には、脳の特定の領域(海馬・島皮質・吻側前頭皮質)が関係している可能性が明らかになった。
同社では今後、さらに詳細な解析を進め、より心地よいフェイシャルエステの開発などに応用していく。
なお、同研究の成果は2025年3月7日から8日にかけて東京で開催された第27回日本ヒト脳マッピング学会にて発表された。
※1 fMRI (functional Magnetic Resonance Imaging):体内の断層画像を取得するMRI技術をもとに、脳を対象とした断層画像を取得する装置・技術。脳の構造情報に加え、機能活動を視覚化することができる。
参考資料:実験の概要
1.実験方法について
健常人女性23人(平均35歳)を対象に、エステセラピストが顔、デコルテを中心としたフェイシャルエステをおこない、施術前後に心理評価のためのアンケートと唾液採取、および安静状態でfMRIの測定を実施(図1)。
fMRIの脳画像は名古屋大学 脳とこころの研究センターに設置されている3T MRI装置(Siemens社製Verio)で取得した。

図1 実験方法の手順
2.フェイシャルエステによる心理状態の変化
フェイシャルエステによって、『心地よさ』、『幸福感』、『リラックス』といったポジティブな感情が高まり、『ストレス』や『疲れた』などのネガティブな感情が軽減することがわかった(図2)。
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